個人事業の場合の日当の経費不可

個人事業の場合は、出張をしても実際の旅費しか必要経費になりません。業種によっては個人事業であっても、お客さまとの打合せ、現場作業当で社外へ出張する方も多いこともあるでしょう。

その場合の出張に要した電車・バス・タクシ-といった交通費・ホテル当の宿泊代や出先での打合せ飲食代といった実費は、個人事業でも必要経費とすることができます。しかし、出張の日数に応じた日当を経費として費用計上することはできません。

会社の場合は日当の経費計上可

会社で事業を行う場合には、事業主本人分も経費として法人の経費計上をすることが出来ます。

会社の場合、事業主本人も役員として従業員を同じ扱いと考えることができるため、常識的な金額である場合に限って、役員に対する日当も旅費交通費として電車代・宿泊費と同じように会社の経費として費用計上することができます。

社長等の役員の出張旅費について、下記のように取扱いある会社が多いです。

  1. 交通費は実費支給
  2. 急行・特急・新幹線・グリ-ン車・航空機等を利用できるときはその利用を認める
  3. 宿泊費については実費支給する
  4. 宿泊費について定額の金額とする場合には10,000~20,000円程度とする
  5. 日当は5,000~6,000円程度とする

法人税法と所得税法の規定

法人税法上の規定

  1. 支給額が所得税法の定める非課税限度額の範囲内であれば「旅費交通費」として損金参入することができる
  2. 支給額が所得税法に定める非課税限度額の範囲を超えるときは超えた金額を給与とする

所得税法上の規定

所得税法は「出張旅費として支給されるもののうち、通常必要である富とみられるものは非課税とする」と規定しています。「通常必要であると認められるかどうか」の判定は下記の事項を勘案して行われるものとしています(所得税基本通達)

  1. 支給額がすべての役員・使用人を通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されているかどうか
  2. 支給額が同業種・同規模の他の会社と比較して一般的に支給している金額相当額と認められるかどうか

課税対象額となる場合

「社長等の役員の出張旅費が一般社員と比べて著しく高額である場合」「社長等の役員の出張旅費が世間相場よりも不相当に高額である場合」については「その高額な部分」のについては、「通常必要であると認められない」として課税されます。また、業務に関係のない出張旅費を支給した場合は、当然支給額の全額が課税対象となります。

旅費規定作成

会社の必要経費として認められる場合は、一般的に常識の範囲内、つまり、出張に際して通常必要と考えられる金額にしておく必要があります。そのためには、第三者からみて合理的な常識に従った基準に従って日東を支払っていることを照明できるように、会社として旅費規程を作成し備え持っている必要があります。

内容については、役員や従業員当の地位に応じて出張日数の1日あたり○○円と定めておくことが一般的です。旅費や宿泊費についても実費清算のほか、「常識的な経路での精機の運賃相当額」常識的な宿泊費相当額」と定めることができます。

下記の「常識的国家公務員等の旅費に関する法律」の日東や宿泊料を参考にすることが良いでしょう。また、出張旅費精算の際には出張報告書兼出張旅費精算所を作成し業務で行ったことと旅費精算の根拠を明確にしておくことが望ましいです。会社とって最適な旅費規程を作成することが良いです。

 

 

国家公務員等の旅費に関する法律

区分 日当(1日につき) 宿泊料(一夜につき) 食卓料(一夜につき)
甲地方 乙地方
内閣総理大臣等 3,800円 19,100円 17,200円 3,800円
 その他の者 3,300円 16,500円 14,900円 3,300円
指定職の職務にある者 3,000円 14,800円 13,300円 3,000円
九級以上の職務にある者 2,600円 13,100円 11,800円 2,600円
八級以下四級以上の職務にある者 2,200円 10,900円 9,800円 2,200円
三級以下の職務にある者 1,700円 8,700円 7,800円 1,700円

 

 
区分 鉄道50KM未満 鉄道50KM以上100KM未満 鉄道100KM以上300KM未満 鉄道300KM以上500KM未満 鉄道500KM以上1000KM未満 鉄道1000KM以上1500KM未満 鉄道1500KM以上2000KM未満 鉄道2000KM以上
内閣総理大臣等 153千円 177千円 218千円 269千円 356千円 375千円 401千円 465千円
指定職の職務又は九級以上の職務にある者 126千円 144千円 178千円 220千円 292千円 306千円 328千円 381千円
八級以下六級以上の職務にある者 107千円 123千円 152千円 187千円 248千円 261千円 279千円 324千円
五級以下の職務にある者 93千円 107千円 132千円 163千円 216千円 227千円 243千円 282千円