豪華列車で行く優雅な旅
昨年の2017年春、2つの豪華列車が運行を開始しました。今回は、新しいクルーズトレイン「TRAINSUITE四季島(トランスイートしきしま)」、「TWILIGHTEXPRESS瑞風(トワイライトエクスプレスみずかぜ)」について、ご紹介いたします。
豪華列車で行く優維な旅「クルーズトレイン」
鉄道ファンが心待ちする2つのクルーズトレイン東京~札幌問、大阪~札幌聞を結び人気を博していた寝台特急カシオペア、寝台特急トワイライトエクスプレスが、2015年に惜しまれつつも運行を終了しました。しかし、鉄道ファンを始め、各方面から長距離クルーズトレインの復活が望まれ、それぞれ「TRAINSUITE四季島」、「TWILIGHTEXPRESS瑞風」へと引き継がれることになりました。TRAIN SUITE四季島は、「深遊探訪」をコンセプトとしていて、日本の四季の移ろいと今までにない体験や発見をする幸福を、鉄道の旅を通じて実感してもらうというものです。一方のTWILIGHTEXPRESS瑞風のコンセプトは「美しい日本をホテルが走る。上質さの中に懐かしさを」というもので、列車の上質な空間と共に、日本の美しい姿を再発見する旅を楽しんでもらうというものです。それでは、2つのクルーズトレインについて詳しくご紹介しましょう。
東日本の豪華列車「TRAINSUITE四季島」
TRAIN SUITE四季島は、2013年にJR東日本が観光立国推進の一環として軍華列車の導入を決定し、日本を楽しむ上質な体験の提案を目的に新たに製造されたものです。それから4年の歳月を経た、2017年5月1日に運行を開始します。新しい車両の名称、「TRAINSUITE(トランスイー卜)」は、フランス語で列車を意昧するTRAIN(トラン)と英語のSUITE(スイート)を合わせた造語で、[四季島(しきしま)]は、日本の古い国名「しきしま」を元に、美しい四季と伝統を感じることができる旅を連想させると共に、時間と空間の移り変わりを楽しむ列車であるという意味が込められています。
福島県の会津を観光し上野駅へ戻る1泊2日のプランもあります。また、四季島では、その名の通り、季節によって運行ルートは変更され、その季節の見どころを巡るルートも用意されます。
客室は、スイート、デラックススイー卜、四季島スイー卜の3つのタイプが用意されていて、最上級の四季島スイートもあり、長い旅をリラックスして過ごせるようになっています。また、車両には前面と側面、列車の運行開始を控え、事前申し込み天井がガラス張りになった展望車両が設けられていて、車内から四季折々の自然をかんじます。
3泊4日のプランでは、上野駅を出発し日光で観光。その後車中泊を経て函館へと向かいます。函館で観光の後、登別かニセコで一泊。翌日は、青森の三内丸山遺跡などを観光するコースと、北海道新幹線や観光列車「リゾートしらかみ」に乗車するコースに分かれ、弘前駅で再度四季島に乗車し、車中泊の後、山形県の鶴岡と新潟県の燕などを観光し、上野駅へと戻ります。この他、上野駅を出発して山梨県を観光し、長野県を経ての跳めを存分に味わえるようになっているのが特徴です。
・最先端の技術です知直な旅をサポート
四季島では、電化・非電化区間を問わず走行でき、安定した走行性能と高い冗長性を両立する新開発の動力方式、EDC (Electric Diesel Combined) 方式を採用しています。
これは、電化区間では架線からパンタグラフで電力を取り込み、非電化区間では車両に搭載した大型のエンジン発電機による自給電力によって走行する仕組みで、日本国内では初めて採用された動力方式です。これにより、新幹線用に電圧が異なる青函トンネル内も自走できるようになっています。
また、車両の揺れを抑えるために、新幹線でも使われている「フルアクティブサスペンション(動揺防止制御装置)」という技術を採用。これは、センサーで車体に加わる横向きの力を検知し、反対の力を加えることで揺れを軽減させる仕組みです。さらに、縦方向の揺れを、台車に垂直に取り付けたダンパーと呼ばれる装置の圧力を変化させて軽減する技術も採用されています。このような様々な最先端の技術は、乗客に高級ホテルに宿泊しているかのような感覚を演出するために採用されています。
TWILIGHT EXPRESS瑞風は、JR西日本が、地域と一体となった観光振興の推進を目指す取り組みの一つとして、2017年6月17日に寝台列車の運行を開始するもので、1989年から約26年間にわたって運行し、多くの鉄道ファンに愛された臨時寝台特急トワイライトエクスプレスの名称を受け継いでいます。山陽・山陰を巡る旅列車の名称である瑞風は、みずみずしい風のことで、吉兆を表すめでたい風、という意味も持っています。「瑞穂の国」とも呼ばれる美しい日本に、新しいトワイライトエクスプレスという風が幸せを運んでくることをイメージして、このような名称が付けられました。瑞風の運行ルートは、1泊2日の山陽コース(上り・下り)と山陰コース(上り・下り)、2泊3日の山陽・山陰周遊コースがあり、どのコースでも1日1回は途中下車し、立ち寄り観光が催されます。コースによって立ち寄る場所は様々で、鳥取砂丘や出雲大社、厳島神社や松陰神社など、山陽・山陰地方の見どころと共に列車の旅を楽しむことができます。
・伝統を受け継いだ快適な車両
客室はロイヤルシングル、ロイヤルツイン、ザ・スイー卜の3つのタイプが用意され、車両には食堂車やラウンジ車両、先頭と最後尾に展望車両が設けられています。展望車両では、空まで望むことができる開放的な窓から景色や星空などを楽しめる他、草両の名前やコンセプトにもなっている「風」を、乗客が外に出て直接感じることができる展望デッキが設けられているのが特長です。車体の色には、寝台特急トワイライトエクスプレスの伝統を受け継いだ緑色「瑞風グリーン」を採用し、動力には、ディーゼル発電機で発電した電力と、バッテリーア引退後のトワイライトエクスプレス運行を終了した寝台特急トワイライトエスプレスは、平成28年4月に開業した京都鉄道博物館に車両が展示されています。食堂車や個室車両などが展示されており、かつての雄姿を見ることができます。
豪華列車で行く優維な旅「クルーズトレイン」
シス卜によるモーター駆動を両立したハイブリッド方式を取り入れています。また、振動への対策は、四季島と同じくフルアクティブサスペンションを採用しており、快適な乗り心地を実現しています。