同族会社のみなし役員

税務調査で大きな論点となる項目です。

同族会社の「みなし役員」は、税務調査で大きな論点となりやすい項目です。特に従業員に同族がいる場合には注意しましょう。たとえば妻を役員に入れず、使用人として給与を支払っている場合などです。同族会社の使用人として認められるのは、次の場合です。

  • 株式所有割合50%超となるまでの第3順位までの株主グループに属している
  • 属しているグループの割合が全株式の10%を超えている
  • 使用人とその配偶者などの株式所有割合の合計が5%を超えている
  • 会社の経営に従事している

同族会社の使用人か、みなし役員かを判定する重要な基準は、「会社の経営に従事しているかどうか」です。その判断は、上記のように行われ、あてはまれば、「みなし役員」とされます。

一方、単なる経理事務作業や、経営者の指示にしたがって販売、仕入れの実務責任を負っている場合には「使用人」として認められます。

従業員の決算賞与は退職者に注意

期末に利益が出て、決算賞与を出す場合、たとえば3月決算の会社なら3月に支給すると当然損金経理できます。締め日の問題もあって3月中に支払えない場合には、1ヶ月以内であれば認められます。

この場合、全員に支給する金額を提示していることが必要です。そのため、金額と支給日を書いた「賞与支給通知書」などを作成し、従業員にサインしてもらうと税務調査がスムーズに進みます。

ただし、注意すべきなのは支給日前までに退職した人に支払えないと賞与規程等で定めている場合です。3月に決算賞与を出す予定にしていても、3月末に退職してしまって支払えない、といったケースはよく起こります。

この場合、辞めた人の賞与が否認されるわけではなく、採用区分が同じ人全体が否認されてしまいます。たとえば辞めたのがパートタイマーならパートタイマーの人全員分、臨時雇い等の人なら同じ身分の人全員分が否認されてしまうわけです。